秘本 袖と袖

秘本 袖と袖

鶴川要之助は風葉と号して小説を書くかたわら、友人の村木の妹、常子に英語を教えていた。一週間に何回かは村木の家を訪れるのだが、広い邸内に住む兄妹は両親もなく、彼を家族同然にもてなした。 その頃村木は胸を患っていたが、時折り鶴田を誘って飲み屋に出かけた。村木の行きつけは、浅草の”千鳥”という店で、彼は、ここの酌婦お照をひいきにしていた。お照には熊五郎という情夫がいたが、お照の商売柄、彼女が客に抱かれることは割りきっている風だった。ある夜、村木と千鳥に出かけた鶴田は、雨が降ってきたので、傘を借りて人店を出た。塀添いの屋敷が並んでいる通りに出た彼は、下駄の挿し歯を直そうとして、その家の門へ招じ入れられた。狐に化かされたような面持ちの彼は座敷へ通される。 「…夢」彼は美人が酒肴を持って現われたのを見てそう思った。が、矢張り人違いで招じ人れられたことが判った。女はこの家の主婦君子で、夫は日露戦争に出征中の軍人で、永い間の孤闘に耐えられず、知り合いの若い男を相手にしていたのだが、今夜は眼の悪い乳母が、塀をたたく音で彼を招き入れてしまったことが判った。事情を察した鶴田は強引に彼女に迫った。が、君子の股間には貞操帯がはめられていた。諦めた君子は鍵を出して彼に渡すのだった。 鶴田は常子とはすでに肉体関係にあって、村木も二人の仲に気づいている様子だった。そんなある夜、執拗にお照を抱いていた村木は喀血した。鶴田は彼を屋敷へ連れ帰ったが、医師は転地療養をすすめた。その夜、屋敷に泊った彼は常子を抱いた。 数日後、村木は逗子の別宅へ。常子一緒だった。鶴田は常子から葉書で逗子へ行くが、外出中の常子が散歩中、外人と親しくキスしているのを見、屈辱感におそわれた彼女は旅館へ泊る。翌日、彼が釣に出かけた留守に君子が訪れていて鶴田を驚かせる。近々、夫が戦地から転属で帰還することになったのだが、鶴川があの夜貞操帯の鍵を持ったまま帰ってしまったので困っているというのだ。彼はそんな君子を強引に抱く。二、三日君子は彼のもとに泊っている中、鶴田と結婚を決意する。そんなところへ常子が訪ねてき、村木の姿が見えないことを知らせる。永い禁欲生活に村木が、おのとへ行ったことは察せられるのだが…。

制作年:1974年 / 製作国:日本
キャスト
宮下順子、風間杜夫、梢ひとみ
スタッフ
監督:加藤彰

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